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日本ウエルネス学会は

日本ウエルネス学会はウエルネスに関心をもつものが集まりウエルネスに関する様々な問題を 学際的に研究し、研究成果の普及、実践を目的とする学会です。

理事長挨拶

ウエルネスからSDGsについて考える ―第20回記念大会を終えてー

日本ウエルネス学会 理事長 宮田浩二

平素は日本ウエルネス学会の運営にご理解とご助力を賜りましてまことにありがとうございます。

日本ウエルネス学会は、創立第20周年を迎えました。本学会は、ウエルネス学的研究の発展に貢献し、会員相互の情報交換・研究協力を促進するために2004年5月(平成16年)に設立されました。今では、日本学術会議や全米ウエルネス会議(NWC)、日本レジャー・レクリエーション学会をはじめとする国内外の大学、研究所等研究機関との交流を図り20周年を迎えた令和5年度の会員総数は130名を超えています。

さて、本年度の学会大会も、昨年同様に感染対策を講じた上で、対面において節目となる第20回大会を開催する運びとなったことを大変嬉しく思っています。今大会の開催にあたり大会実行委員長の丸山裕司先生をはじめ大会実行委員会の皆様に感謝しております。

本学会大会は、「ウエルネスによる気づき」をテーマとし、記念大会講演は、初代本学会の理事長であった野崎康明先生にご登壇頂き、学会発足から現在までのウエルネスの歩みについての振り返りと今後の学会発展につながる講演をして頂きました。また、基調講演では、石川清先生(東海学園大学学長)による「自分の経験と家族から学んだ“人生のやりがいとウエルネスな生き方”」と題してウエルネスについて講演をしていただきました。また学会大会での研究発表は活発に行われ演題も多様化してきていると感じました。学会員の皆様にとって、有意義な時間になる様々な内容を企画し、ウエルネスな道標を示した大会となりました。このようにウエルネス学は、サイエンス分野の中で確たるアイデンティティを築いてきました。更に、近年注目されているSDGs「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)」においてもウエルネス学研究は、期待も高まっており、SDGsの実践研究に関わっています。スポーツを例えれば、国連は、「スポーツは持続可能な開発における重要な鍵となるものである」と必要不可欠なものとして以下の3目標が挙げられています。

・SDGsの目標3「すべての人に健康と福祉を」では、運動とスポーツを行うことはアクティブなライフスタイルと精神的な安定をもたらし、それが健康問題を解決するとしている

・目標5「ジェンダー平等を実現しよう」では、スポーツを通して意識改革を進めていくこととしている

・目標13「気候変動に具体的な対策を」では、スポーツイベントを通じて、環境への理解を深めていくことができるとしている

このように、ウエルネス学研究は、持続可能な健康とスポーツとの関わりやウエルネス・ヘルスツ―リズム、スローライフ、エコな環境との共生、ヨガ、クリーンエネルギー、地産地消や環境共生等々17の目標に関連した研究が期待され、多様性があります。ウエルネス研究者は、ウエルネスを実践する人々でありSDGsに最も関心のある人々とも言えます。ウエルネスは、理想論でなく、現代社会に必要不可欠な概念であり、サステナビリティ(持続可能性)志向と行動実践を両立するウエルネスのリソースとして、計り知れないと言えます。

2019年から新型コロナウイルスによって、私たちの生活様式が大きく変わりました。今まで当たり前だった生活が一変しました。一気に慣れないリモート社会へと移行しました。昨今、ますますウエルネスが時代の上位の価値観になってきていると感じます。この時期こそ、より良い健康観の形成にとってウエルネスの考え方が重要になると考えるからです。また、人々により幸福で充実した人生を送る健康の方法を提示できるのがウエルネスの理論とその方法であると思っています。大切なことは、自分にとっての健康の価値観を考えていくことであり、価値観・行動変容をしていくことであろうと思います。そのためには、行動変容が必要であり、テーマにもあるように気づきがなければ行動変容は、起こらないのです。ウエルネスを力にSDGs活動をしていくことも大切だと大いに感じます。

私ごとになりますが、8月の終わりに39度の高熱になった時に、皆さんから心配のメール等をいただき、人に「生かされている」ことの「有り難さ」を真に受けとめることの大切さに気づきました。私も命を与えられ天から与えられた使命を持って生かされた以上、万物と調和し、より良いウエルネスな社会を作っていき、次の「有り難さ」を生むための連鎖を繋いでいくために努力を惜しまないことです。SDGsは、普遍的な目標として「誰も置き去りにしない」という約束を掲げています。まさに「ウエルネスによる気づき」気づきから始まると感じました。日常を通して、健康観が変容し、こころの健康につながり、いわゆる物質的豊かさから精神的豊かさへ向かっていく現代社会においては、人との“つながり”がより大切であることを再確認し、抗わず(あらがわず)に生きること、精神的健康・ウエルネスライフ=スローライフの大切さでもあると感じました。

本学会のウエルネス研究が世界に発信され、更なる進展がはかられると同時に、学会員相互の研鑽と交流を深めるとともに、ウエルネスに興味・関心のある方、ぜひ日本ウエルネス学会に入会していただき、一緒に研究し、社会に貢献できるよう活動していこうではありませんか。

第20回大会での集合写真です

日本ウエルネス学会事務局

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日本ウエルネス学会事務局
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